「モラハラ被害者に共通する15の症状」では、職場のモラハラ被害者はいったいどうなってしまうのか?について、15の症状を伝えました。
この中で、被害者が加害者と出会ってから、自分が自分であることを諦めていくまでの過程を具体的に分析します。
Contents
暗黙のうちに加害者を認めてしまうのはなぜか?
競争的な社会・経済システムの中にある企業では、「常識から外れた振る舞いで無理やりにでも結果を出す人間が評価され出世する」なんてことはよくあることだと思います。でも、その影ではその人間の横暴さや適当さをカバーする裏方的な社員が沢山いるのも事実なのです。
その常識から外れた人間が自己愛が変質的に高まった上司(モラハラ上司)の場合、被害者となる部下は、そのマイナス要素を自分がカバーして、プラスに変える役割を自ら買って出てしまうのです。相手の持っている強力なチカラを認めるいっぽうで、それだけでは不足で自分が持つプラス面を加える必要があると考えてしまうのです。
チームスポーツでも、攻撃が得意な人間だけ揃えても優勝は出来ないという思考を持っており、常に自分はバランスをとるタイプで成功してきたためでもあります。しかし、そこには被害者だけが持つ相手に対する一方的な”信頼”という大失敗があるのも事実です。このような被害者の確立された思考や感情が、暗黙のうちに加害者を認めてしまうのです。
物を考える力が奪われ、精神的に不安定になり、徐々に自信を失っていくのはなぜか?
モラハラ被害者が自信を失っていくのは、必ずしも相手の持つ知識や技術に圧倒されるからではありません。元々、相手の強みと自分の強みは全く違うところにあり、被害者は自分の強みでこれまでの社会人生活で成果を出してきたのです。それらは、会社の中でも認められてきているのです。
では、なぜ被害者は自信を失っていくのか?その答えは、「相手は何を考えているのか?」「相手が思っている正解は何なのか?」そのように物を考えるようになってしまうからです。
本来、被害者側が持つ強みが加害者の欠点を補うと考えていたのですが、加害者は全くそんな風に考えてません。自分の考え方、やり方が全て正しいと思っているので、被害者を自分の思い通りに動く手足となるよう、自分の思考を被害者に考えさせるように仕向けるのです。
しかし、被害者はいつまでたっても相手の考えることが分からないのです。自分とは真逆の位置にいる人間の考えることをわかれと言われても分かるはずないのです。加害者はその間に様々なモラハラ手法を使って相手を不安にさせますが、被害者は、最終的に相手の考えることがどうしても理解できず、相手から酷く罵倒され、自信を失っていくのです。
支配と服従によって、自分の考えを相手に伝えることも出来なくなるのはなぜか?
モラハラ加害者にとって、被害者に”自分の考え”というのは存在しないのです。様々なモラハラ手口によって被害者はコントロールされ(洗脳され)、いつの間にか被害者も、加害者の考えることが自分の考えでもあると思ってしまうのです。自分の考えがなくなるから、伝える考えもなくなるのです。伝えるのことが出来るのは、一般的な情報の伝達だけになってしまうのです。
それでも、少しだけなら本来の自分の考えを伝えたいと思い勇気を振り絞ることがありますが、結局曖昧な回答ではぐらかされたり、酷く罵倒されることが続き、本来の自分の考えを伝えることも諦めるようになるのです。
「実体」を奪われ、自分が自分であることを諦めてしまうのはなぜか?
モラハラ被害者は、コントロールされた状態が続くと、だんだん体調面で変化が現れるため、反抗することがとても苦痛に感じて、なるべく自分自身を保護する方向(楽になる方向)で行動するようになります。それは、自分自身が意思を持たないモノになることを容認してしまっていることでもあります。
私が、昔の同僚に会った時、プレゼンス(存在感)が全くなくなったと言われたのはそのせいです。自分自身の家族とその生活のため、会社の組織という縛りの中で、いつまで続くか分からない職場でのこの関係が、自分であることを諦めてしまう要因にもなるのです。
反対に言えば、自分が自分であることを諦めてしまうくらい、自己愛が変質的なほど高まったモラハラ加害者の洗脳力や支配力は強く、被害者が気づき始めた段階では、もうどうしようもない状態になっているのです。
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最後までお付き合い有難う御座います。
それでは、また次回。
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