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セミナー講師が知っておきたい安い貸し会議室での学習効率低下対策

 
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こんにちは。

私もそろそろセミナーでも開催したいなあと思っているのですが、安い貸会議室に限って空調環境が悪いですよね。

今日は、普段空調の専門家として仕事をしている私が、空調と学習効率の関係について気をつけてほしいことをお伝えしたいと思います。

安い貸し会議室の空調問題点について

研修施設として有名なクロス・ウェーブやTKPでは問題ないかと思いますが、一般的な貸し会議室は需要と供給のバランスによって作られるため、もともと事務所として使っていたフロアに間仕切壁(もしくはパーティション)を設置して会議室に変更している場合があります。

その場合の空調の問題点は、「換気量」です。

おそらく、設備を設置する側のオーナーも、暑い寒いの苦情が来ないようにエアコンを付けるのは当たり前ですが、会議室の人員によって必要な換気量が違うことまで気にしていないと思います。また、土日や時間外には換気設備が停止している場合もあります。

換気量が少ないとどうなるかと言うと、室内のCO2濃度がどんどん上昇します。

室内のCO2濃度が上昇すると、学習効率が低下すると言われており、結果的に受講生の理解度が低くなりセミナー自体の価値を下げてしまう可能性がありますので注意してください。

※事務室の必要換気量:6.0[m3/m2・h]に対して、会議室の必要換気量:30[m3/m2・h]です。会議室は人員密度が高いので単位面積当たりの換気量も5倍ほど必要なんです。

例えば、下図の会議室の場合35m2なので、本来は1,050[m3/h]の換気設備が必要ですが、もともと事務所だった場合は210[m3/h]の換気設備しか付いていない場合があります。

貸し会議室

換気量と学習効率について

文部科学省の「学校環境衛生の基準」によると、教室のCO2濃度は1,500ppm以下(0.15%以下)が望ましいとされています。事務所ビルの場合、ビル管法の基準ではCO2濃度基準は1,000ppmですから、学校教室のCO2濃度基準は少し緩めです。

今回、学習効率という面で考察するため前述の貸し会議室(16名)の必要な換気量を、一人当たりの呼吸によるCO2排出量:0.022[m3/h]から求めてみます。大気中のCO2濃度:350ppm(0.035%)だから、計算式は以下の通り。

(0.022[m3/h]×16名)/(0.0015-0.00035)=306[m3/h]

以上より、本貸し会議室必要換気量は306[m3/h]一人当たりの換気量で見ると、19[m3/h]です。下図に示す「一人当たりの換気量と学習効率のグラフ」で分かるように、この換気量が確保できていれば問題ありません。

もし、事務所レベルの換気設備の場合(210[m3/h]だと2/3程度)ですし、換気が停止していれば極端に学習効率が低下していくのが分かります。

(出典)社団法人教施設協会「学校の学習環境を考える」平成20年3月より

次の図は、換気量と学習意欲の関係です。学習意欲については、常に換気量が多い環境では高い傾向にありますが、時間が経つにつれ換気量が多い環境と少ない環境での差が大きくなっていることが見てとれます

以上から、貸し会議室の換気状態がセミナー受講生の学習効率にも大きく影響して、とても重要であることをご理解いただけたかと思います。

(出典)社団法人教施設協会「学校の学習環境を考える」平成20年3月より

室内温度と学習効率について

夏季の室温と学習効率の関係について、下図に示すとおり教室が暑くなるほど学習効率が低下する傾向があることが分かります

室温が24~25℃だと省エネ設定ではありませんが、学習効率だけ考えると涼しい方が良いことが見てとれます。

(出典)社団法人教施設協会「学校の学習環境を考える」平成20年3月より

安い貸し会議室の換気量確保対策について

貸し会議室をセミナーで利用する場合、空調換気設備が収容人員を快適にまかなうだけの設備でなかったり春や秋の涼しい季節は空調だけでなく換気設備が停止してしまっている場合などが考えられます。

本貸し会議室が換気がされていない状況で16名が受講していると、1時間も経過すれば1,500ppmを超えて3,000ppm以上になり、眠くなったり頭が痛くなる症状が出る可能性もあります。

そうなる前に、休憩時間に必ず窓やドアを開けて、空気の入替えを行ってください。その場合、1箇所だけ開けるのではなく、必ず反対側も開けて風が通るようにすることが重要です。出来れば1時間に1回10分、1.5時間に1回15分は換気するように心がけましょう。

まとめ

  • 安い貸し会議室をセミナーに利用する場合は、室温だけでなく、CO2濃度の状況に気をつける
  • CO2濃度が高くなると、セミナー受講生の学習効率が下がり、セミナー自体の価値を下げてしまうこともあるので注意が必要。
  • 休憩時間には、部屋の中の窓やドアを開けて、10分以上換気することを心がける。

以上、「セミナー講師が知っておきたい安い貸し会議室での学習効率向上対策」でした。

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最後までお付き合い有難う御座います。
それでは、また次回。
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